最先端システム工学で生物資源を生活の場に

我々は、自然の恵みである木材や農産物を、「住」「食」という日々の営みに取り入れていますが、人に個性があるように、これらにも個性があります。
強い木もあれば弱い木もあり、甘いミカンもあれば酸っぱいミカンもあります。木材にせよ、農産物にせよ、これらを加工・生産する場合には多くの「個体」を対象にしますから、「どのような性質・特徴をもっているのか?」ということを、非破壊で機械的に素早く見抜いて、消費者が安心・安全に利用できるようにすることがとてもたいせつなのです。
生物システム工学研究分野では、可視光線と赤外線の中間に存在する「近赤外線」や赤外線とマイクロ波の中間に存在する「THz波」という見えない電磁波を用いて、 木材を中心とするバイオマスや果実などの農産物を非破壊で計測する手法の研究を行っています。
その他にも当研究分野では、「生育環境の人工制御による植物の生産性向上」に関する研究を行っております。
いずれも、循環資源である木質系バイオマスや生物体を無駄なく利用する機械プロセスを導入することにより、地球環境負荷の低減に貢献するという大きな目標のもとでプロジェクト化されております。「農学」と「機械化」という一見相反するキーワードが、当研究分野では見事に融合し、ユニークな循環バイオマス研究ラボとして走り続けています。